長期優良住宅制度の改正 その①『概要』

令和3年5月28日に「住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律」が公布され、これに伴い長期優良住宅認定制度の改正が段階的に実施されています。

今回、大きく改正された点は以下の4点です

1.長期優良住宅の認定対象の拡大
(1)住棟認定の導入【令和4年2月20日施行】
(2)良質な既存住宅を長期優良住宅として認定する制度を創設【 令和4年10月1日施行予定
2.認定手続きの合理化【令和4年2月20日施行】
3.頻発する豪雨災害等への対応【令和4年2月20日施行】
4.省エネルギー対策の強化【令和4年10月1日施行予定

では、個別に概要を確認していきましょう。


1.長期優良住宅の認定対象の拡大

(1)住棟認定の導入【令和4年2月20日施行】

共同住宅について、区分所有者がそれぞれ認定を受ける仕組みから管理組合が一括して認定を受ける仕組みに変更されました。

国交省資料より抜粋


改正前は、引渡後に各住戸の区分所有者と共同で変更認定を受けることが必要とされ、維持保全は、各住戸の区分所有者が行うこととなっていました。
改正後は、引渡後に「管理組合の管理者等が一括して」変更認定を受け、維持保全の実施主体も管理組合の管理者等に変更され、手続きなどが合理化されました。


(2)良質な既存住宅を長期優良住宅として認定する制度を創設【令和4年10月1日施行予定】
認定基準を満たした既存住宅であれば、建築行為(改修・増築)を伴わなくても認定される制度が創設されます。
既存住宅の認定については、認定の基準、建設された時期による適用基準の違い、認定を受けることにより得られる補助等、細かく定められています。こちらについては、別の記事にて詳細を取り上げます。

国交省資料より抜粋


2.認定手続きの合理化【令和4年2月20日施行】
住宅性能評価を行う民間機関が住宅性能評価と長期優良住宅の基準の確認を併せて実施可能になり、手続きが合理化されました。

国交省資料より抜粋


3.頻発する豪雨災害等への対応【令和4年2月20日施行】
認定基準に災害リスクに配慮するための基準が追加されました。
具体的には災害の危険性が特に高いエリアを認定対象から除外、または認定のため一定の措置が求められるようになりました。

国交省資料より抜粋


4.省エネルギー対策の強化【令和4年10月1日施行予定】
長期優良住宅に求められる省エネルギー基準が「ZEH相当」の水準まで引き上げられます。
「断熱等性能」は「等級4」から「等級5」へ、「一次エネルギー消費量性能」については現在は求められていませんが、「住宅性能表示の等級6」が求められることになります。

国交省資料より抜粋


以上が今回の長期優良住宅認定制度の大きな改正点で、段階的に施行されています。

以下が施行スケジュールとなります。

詳しくは、以下のホームページを参照ください

☆国土交通省「長期優良住宅のページ」
☆一般社団法人住宅性能評価・表示協会「法改正などの情報」


関連記事はこちら
長期優良住宅制度の改正 その②『建築行為を伴わない認定の創設』



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