「監理技術者等の専任義務合理化」の具体的要件が定められました
工事現場への専任を要する監理技術者・主任技術者について、政令で定める金額・現場数の範囲で兼任が可能となりました。今回、既に決定されていた金額要件に加え、以下のとおりの要件が定められました。以下の全ての条件を満たす場合のみ兼務が認められます
尚、監理技術者・主任技術者のみではなく、営業所の専任技術者についても、同様の措置により専任を要する現場技術者の兼務が可能となりました!
【兼務が認められる8つの条件】
1.各建設工事の請負代金の金額が1億円未満(建築一式の場合は2億円未満)
工期の途中で増額変更により上記金額を超えた場合は兼務は認められなくなります。それ以降は各現場に専任の監理技術者等を配置することが必要です
2.工事現場間の距離が、一日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内
自動車の利用など、常識的に考えて確実に確保できる交通手段における時間で考えます。また、この「2時間」は片道に要する時間です
3.各建設工事の下請次数が3次まで
工期の途中で下請次数が3を超えた場合は、それ以降は兼務は認められなくなります
4.監理技術者等との連絡その他必要な措置を講ずるための連絡員(土木一式工事又は建築一式工事の場合は、当該建設工事の種類に関する実務経験を1年以上有する者)の配置
この「実務経験」は「営業所専任技術者」に求められる実務経験と同じ考え方で良いとされています。また、連絡員は各工事に配置する必要がありますが、専任や常駐は求められていません。
5.工事現場の施工体制を確認できる情報通信技術の措置
「監理技術者制度運用マニュアル」では、「CCUS」の利用が望ましいとされていますが、遠隔から現場作業員の入退場が確認できるシステムであれば可能とされています。
6.人員の配置を示す計画書の作成、現場据置及び保存(電磁的記録媒体による作成等を含む。)
尚、計画書には以下の内容を記載することとされています
イ 当該建設業者の名称及び所在地
ロ 主任技術者又は監理技術者の氏名
ハ 主任技術者又は監理技術者の一日あたりの労働時間のうち
労働基準法第三十二条第一項の労働時間を超えるものの見込み及び労働時間の実績
ニ 各建設工事に係る次の事項
(イ)当該建設工事の名称及び工事現場の所在地
(ロ)当該建設工事の内容(法別表1上段の建設工事の種類)
(ハ)当該建設工事の請負代金の額
(ニ)工事現場間の移動時間
(ホ)下請次数
(ヘ)連絡員の氏名、所属会社及び実務の経験
(実務の経験は、土木一式工事又は建築一式工事の場合に記載)
(ト)施工体制を把握するための情報通信技術
(チ)現場状況を把握するための情報通信機器
7.工事現場以外の場所から現場状況を確認するための情報通信機器の設置
工事の状況を確認するために必要な映像や音声の送受信が可能であれば、「スマートフォン」「タブレット」等の通常の通信端末で可能とされています。山間部の工事等で通信環境が確保できない場合は不可です
8.兼務する建設工事の数は2を超えない
「専任を要する現場」と、「専任を要しない現場」を同一の主任技術者・監理技術者が兼務することも可能ですが、「専任を要しない現場」にも上記2~7の要件を全て満たすことが求められます
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⇒令和7年2月1日より特定建設業許可及び監理技術者等の現場専任の金額要件が緩和されます
⇒令和6年12月13日より技術者等の専任義務が合理化されます
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