入札に参加するには⑤ 『主観点とは』
「入札に参加するには」シリーズ最終回の今回「主観的事項」についてです。
1.主観的事項とは
国や地方公共団体等の実情を踏まえて、地域における実績、地域貢献などを発注者が独自に審査するのが主観的事項です。これにより算出された点数がいわゆる「主観点」です。
工事実績についても、経営事項審査(=客観点)が全国共通の基準で量的な評価を行うのに対し、主観点ではその発注者に係る工事実績や、工事の質等も評価します。
発注者それぞれの入札要領などでどのような項目が審査されるのかが公表されています。
2.発注者別の評価項目の例
主観点は、経営事項審査とは異なり、地域特性も踏まえ発注者独自に定めた項目で審査を行います。このため、発注者ごとに項目は様々ですが、以下に国土交通省が導入すべき又は導入が望ましいとして例示した評価項目を挙げます。
「工事内容に関する項目」
(導入すべき項目例)
〇工事成績
発注者に係る工事の工事成績評定や、都道府県などの他機関の成績等を活用。
〇技術力
国家資格等の保有状況や技術者の雇用状況のみでなく、優良工事表彰、VE提案の採用
〇安全対策
安全対策を実施する団体への加入や、COHSMS・OHSASの取得状況の評価 等
「社会性を評価する評価項目」
(導入が望ましい項目例)
〇地域貢献
災害発生時の活動実績、地域貢献団体への加入、除雪関係作業、営業所所在地、地元雇用等を評価
(必要に応じて導入する項目例)
〇不正行為
指名停止、監督処分、租税公課の滞納等をマイナス評価
〇コンプライアンス
独占禁止法順守体制の整備等を評価 等
上記は国交省が例示した項目ですが、これら以外にも、働き方改革や、女性参画、建設業の担い手確保への取組を評価する項目を追加している発注者もあります。
国土交通省「発注者別評価点の活用による資格審査マニュアル」より抜粋
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