経営事項審査の改正について① 改正の概要
改正建設業法の施行に伴い、令和3年4月より経営事項審査の評価項目についても改正されました。
1.経営事項審査とは?
「経営事項審査」とは、公共工事を発注者から直接請け負う建設業許可業者が必ず受けなければならない審査です(建設業法第27条の23)。公共工事を発注する機関は、競争入札に参加する建設業者について欠格要件に該当しないか審査した上で、客観的・主観的な審査結果で点数化して順位付けします。このうち客観的事項の審査が経営事項審査といわれる審査制度です。評価の項目は大きく分けて5項目で、それぞれに更に細かい項目が設定されています。
【経営事項審査の評価項目】
X1 | 完成工事高評点(業種別の年間平均完成工事高により評価) |
X2 | 経営規模評点(自己資本や平均利益額等から評価) |
Y | 経営状況評点(財務諸表から経営状況を評価) |
Z | 技術力評点( 技術者の資格と元請完工高から 業種区分ごとに評価) |
W | その他評点(労働福祉、営業継続年数、防災、法令遵守、建設業経理などの社会的貢献度から評価) |
2.今回の改正点
上記の項目のうち、今回改正されたのはZ(技術力評点)とW(その他評点)に関する項目で、以下の通りの4項目が改正・新設されました
【改正・新設された評価項目】
(1)技術職員数(Z1)に係る改正 |
⇒⇒⇒ 技術職員区分に監理技術者補佐(技士補の資格)が追加 |
(2)労働福祉の状況(W1)に係る改正 |
⇒⇒⇒ 「法定外労働災害補償制度」加入による加点の対象になる提供者の範囲 が変更 |
(3)建設業の経理の状況(W5)に係る改正 |
⇒⇒⇒ 公認会計士等の算出に当たって算入できる者の要件を改正 |
(4)知識及び技術又は技能の向上に関する建設工事に従事する者の取組状況に係る審査項目(W10)の新設 |
⇒⇒⇒ 技術者及び技能者の技術・技能の向上への取組状況の評価を新設 |
では、具体的にどのように改正されたのか、個別に確認していきましょう。
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