経営事項審査の改正について⑥ W10に関する定義等
W10の評価のための計算式は下記のとおりでした
【計算式】
【(技術者数/技術者数+技能者数)×A(=技術者評価のための値)】
+
【(技能者数/技術者数+技能者数)×B(=技能者評価のための値)】
まず、上記計算をするにあたり、必要な言葉の定義等について確認していきます。
1.技術者とは
ここでいう「技術者」は以下の者を指します
監理技術者又は主任技術者になる資格を有する者、及び一級・二級の技士補
2.技能者とは
ここでいう「技能者」は以下の者を指します
審査基準日以前三年間に、建設工事の施工に従事し、作業員名簿を作成する場合に建設工事に従事する者として記載される者(監理技術者・主任技術者として施工管理にのみ従事する者を除く)
※なお、「1.技術者」に該当する資格も有するが、施工管理はせず、工事施工に従事する者は、技術者・技能者の両方の対象となります。また、「作業員名簿を作成する場合」としたのは、必ずしも作業員名簿が必要な現場に従事した技能者のみを対象にしている訳ではなく、もし作業員名簿を作るとしたら名簿に記載することが想定される技能者も含むためです。
3.A(=技術者評価のための値)
Aには「0から10」の値が当てはまります。これは、
(CPD単位取得数/技術者数)
を計算した結果に応じて決まります。
4.CPDとは
CPDとは「Continuing Professional Development」の略で技術者の「継続教育制度」を意味します。講習などを受講することによって継続して学習し、能力向上を図る時間を単位として可視化したものです。業種により講習を受けるべき認定団体は異なります。
5.CPD単位取得数
CPD単位取得数 とは、「所属する技術者が審査基準日以前一年間で取得したCPD単位の合計」です。各技術者が取得したCPD単位を個別に計算し、それを合計して値を出します。
6.各技術者のCPD単位
次の数式で求めます
式中にある「告示別表第18」にはCPDの認定団体とそれぞれの単位数計算のための数値が一覧にされています。
(※CPD認定団体と告示別表第18については「経営事項審査の改正について⑦ 評点の計算例:技術者について」に資料があります。)
7.B(=技能者評価のための値)
Bには「1から10」の値が当てはまります。これは、
技能レベル向上者数/(技能者数-控除対象者数)
を計算した結果に応じて決まります。
8.技能レベル向上者数
上記7の式中に出てくる「技能レベル向上者数」とは、
「審査基準日以前3年間に能力評価基準が1以上向上した者の数」
を指します。
9.控除対象者数
同様に上記7の式中に出てくる「控除対象者数」とは、
「審査基準日の3年前以前にレベル4(能力評価基準の最高レベル)の評価を受けていた技能者」
を指します。
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