経営事項審査申請解説シリーズ⑩ 評価項目W1「担い手の育成及び確保に関する取組の状況」

審査項目の詳細

審査基準日における「建退共加入状況」や「退職一時金制度」の導入有無、「社会保険・厚生年金制度の加入状況」及び「ワーク・ライフ・バランスへの取組状況」等で点数が決まります。審査の対象となる項目は全部で10項目で下記のとおりです

(※)従業員が一人もいない場合の雇用保険等、適用除外の場合は加入していなくても減点対象ではありません。
(※)社会保険や厚生年金等については、加入義務があるにも関わらず未加入の場合は建設業許可についても許可がされなくなりました(関連記事はこちら
(※)⑤退職一時金制度、⑥法定外労災の加入の有無の判断についてはページ下部を参照ください



W1の算出式

上記の審査項目の加入状況を基に下記計算式で算出します

W1=
Y1×15)-(Y2×40)+(1-7)+(1-8)+(1-9)+(1-10

(※)Y1上記一覧表のうち④⑤⑥について「加入」している数
(※)Y2=上記一覧表のうち①②③について「未加入」となった数
(※)1-7=上記一覧表のうち⑦の項目についての点数
(※)1-8=上記一覧のうち⑧の項目についての点数
(※)1-9=上記一覧の内⑨の項目についての点数
(※)1-10=上記一覧の内⑩の項目についての点数





⑤「退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無」について

審査基準日において、下記のいずれかに該当する場合「導入有」と認められます。

(1) 労働協約若しくは就業規則に退職手当の定めがあること又は退職手当に関する事項についての規則が定められていること。
(2) 勤労者退職金共済機構との間で特定業種退職金共済契約以外の退職金共済契約が締結されていること。
(3) 所得税法施行令(昭和 40 年政令第 96 号)に規定する特定退職金共済団体との間で退職金共済についての契約が締結されていること。
(4) 厚生年金基金が設立されていること。
(5) 法人税法(昭和 40 年法律第 34 号)に規定する適格退職年金の契約が締結されていること。
(6) 確定給付企業年金法(平成 13 年法律第 50 号)に規定する確定給付企業年金が導入されていること。
(7) 確定拠出年金法(平成 13 年法律第 88 号)に規定する企業型年金が導入されていること。

※原則雇用期間の定めなく雇用された従業員全てが制度の適用を受けなければいけません。

※「法定外労働災害補償制度加入の有無」について

審査基準日において、以下の相手方と労働者災害補償保険法に基づく業務災害及び通勤災害に関する給付についての契約を締結している場合に「加入有」と認められます。

①中小企業等協同組合法に基づき共済事業を営む者(全日本火災共済協同組合連合会、等)
②(公財)建設業福祉共済団
③(一社)全国建設業労災互助会
④(一社)全国労働保険事務組合連合
⑤保険会社

ただし、その補償内容が次の要件を満たす場合でなければ認められません

・業務災害と通勤災害について補償されること
・直接の使用関係にある職員及び下請負人(数次の請負による場合にあっては下請負人のすべて)の直接の使用関係にある職員の全てを対象とすること。
・少なくとも死亡及び労働者災害補償保険の障害等級第1級から第7級までの災害の全てを対象とすること。

注)共同企業体及び海外工事を除く全工事を補償するものでなければなりません。また、一般的に記名式や作業員数上限があるものは、上記の要件を満たしているか確認できない為対象外です。準記名式傷害保険については、政府管掌の労災保険(法定労災)にも加入していなければ対象外です。


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