経営事項審査申請解説シリーズ⑥ 評価項目X1・X2

評価項目Xは「経営規模」に関する審査項目ですが、さらにX1とX2に分かれています。

1.X1「完成工事高」


X1は「経営規模のうち完成工事に関するもの」です

審査項目は「工事種類別年間平均完成工事高」のみで、「許可を受けた建設業ごと」に「建設工事の種類別年間平均完成工事高」により点数が決められます。
(審査基準日を含む決算期と前期の完成工事高の2期の平均か、更に前々期も含めた3期の平均かどちらかの平均値で算出します。2期平均・3期平均のどちらか有利なものを選べます。)


この工事高に応じ1,000万円未満から1,000億円以上までの42段階に区分された算出テーブルに当てはめて点数が算出されます。

完成工事高の「移行」について

許可を受けているものの、経営事項審査を受けない業種の完成工事高を、審査を受ける業種の完成工事高に含めることができます。これを「移行」といい、移行ができるか否かはその内容により異なります。

「一式工事に移行できる専門工事」

土木一式       
のみ移行できる業種     
建築一式
のみ移行できる業種
土木一式・建築一式どちらにも移行できる業種
舗装工事、しゅんせつ工事、 水道施設工事                 左官工事、屋根工事 、板金工事、ガラス工事 、防水工事、内装工事、建具工事 大工工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、塗装工事、解体工事

土木一式・建築一式の両方に移行できる業種の場合、その完成工事高を土木一式と建築一式に分けて移行することも可能です。例えば、鋼構造物の完成工事高が8,000万円ある場合にその内訳が「建築系3,000万円」、「土木系5,000万円」の場合、それぞれ建築一式に3,000万円、土木一式に5,000万円を移行することも可能です。


「専門工事の間で移行できる事例」

一式工事以外でも下記に該当する場合は移行が認められます

・電気工事と電気通信工事の間でどちらかに移行
・管工事と水道施設工事の間でどちらかに移行
・石工事・造園工事からとび・土工・コンクリート工事へ移行  


「移行の注意点」

移行については下記の注意点があります

・審査対象事業年度で移行をした場合は、その申請の前期や前々期(3期平均を選択した場合)も移行します。一つの申請の中で、この期は移行、この期は移行しない等として分けることはできません。

毎年度申請ごとに移行するか否かを見直すことは可能です。前回の審査で移行をしていても、今回の審査では移行しない事を選択することもできます。

・両一式工事に移行ができる業種について、完成工事高を土木系・建築系で分ける場合、許可がない業種に内訳された完成工事高は「その他工事」の完成工事高となります。
・・・例えば、土木一式工事と鋼構造物工事の許可がある場合に、鋼構造物工事(内訳、土木系:3,000万円、建築系5,000万円)の工事高を移行するとします。この場合は、土木系の3,000万円は土木一式へ移行できますが、建築系の5,000万円は「その他」の工事高になります。




2.Ⅹ2

X2の審査項目は下記の2点となります

① 自己資本額点数

自己資本額(=貸借対照表の純資産合計)の値を47区分の算出テーブルに当てはめて算出します。この値は前期と併せて2年平均にするか今期のみにするかどちらか有利なものを選べます。

② 平均利益額点数

利払前税引前償却前利益(=営業利益+減価償却実施額)の値を37区分の算出テーブルに当てはめて算出します。 こちらは前期と合わせて2期平均の値が採用されます。





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