経営事項審査の改正について⑦ 評点の計算例(W10):技術者について
実際の評点計算について、以下の【建設会社X】を例にあげて確認していきます。
【建設会社X】 |
①建設会社Xには、A・B・C・D・E・F・Gの7人の職員が在籍 ②この7人のうちA・B・C・Dの4名は監理技術者・主任技術者になり得る資格を持ち、建設工事の施工の管理にのみ従事。 ③F・Gの2名は建設工事の施工に従事 ④Eは主任技術者の資格もあるが、施工管理には従事せず、建設工事の施工に従事する。 |
上記の例の場合、建設会社Xには「技術者が5人」「技能者が3人」在籍している状態です。合計が合わないのは、Eが「技術者・技能者のどちらにも計上できる」ためです。
上記の想定を踏まえて、まずは、技術者の点数について確認していきます。
技術者の点数を求める計算式は以下の通りです。
【(技術者数/技術者数+技能者数)×A(=技術者評価のための値)】
1.計算式左側については、「技術者が5人」「技能者が3人」のため、 以下の通りです
(技術者数/技術者数+技能者数) = 5/8
2.次にAの部分を求めますが、Aについては、
① まず、(CPD単位取得数/技術者数)を求める
② その値に応じた数値をAに当てはめる
ことで導くため、先に「CPD単位取得数」を計算する必要があります。
3.「CPD単位取得数」
これは、「各技術者のCPD単位の合計」なので、各技術者の「CPD単位」を計算します。
上記の建設会社Xで、所属する「技術者」5名が審査基準日以前1年間で以下の通り講習を受け、CPD単位の認定をされたとします。
【建設会社Xにおける講習受講状況】
技術者 | 単位数 | 講習先 | 別表18の値 |
A | 20 | (公社)空気調和・衛生工学会 | 50 |
B | 10 | (一財)建設業振興基金 | 12 |
C | 50 | (一社)建設コンサルタンツ協会 | 50 |
D | 31 | (一社)交通工学研究会 | 50 |
E | 80 | (公社)地盤工学会 | 50 |
※別表18はページ下部参照
各技術者の「CPD単位」の計算方法は下記の通りですので、当てはめると
【建設会社Xの各技術者のCPD単位】
技術者 | 計算 | 値 | 備考 |
A | 20÷50×30=12 | 12 | |
B | 10÷12×30=25 | 25 | |
C | 50÷50×30=30 | 30 | |
D | 31÷50×30=18.6 | 18 | ※小数点以下は切り捨てのため |
E | 80÷50×30=48 | 30 | ※各技能者CPD単位の上限は30のため |
となります。「CPD単位取得数」は上記の各技術者のCPD単位を合計した「115」となります
4.Aの値
Aを求める計算式に上記の値「115」と技術者数「5」を当てはめると
CPD単位取得数/技術者数=115÷5=23
Aの値は下記算出テーブルから当てはめるので、21以上24未満の7が該当します。
【算出テーブル】
30の場合 | 10 |
27以上30未満 | 9 |
24以上27未満 | 8 |
21以上24未満 | 7 |
18以上21未満 | 6 |
15以上18未満 | 5 |
12以上15未満 | 4 |
9以上12未満 | 3 |
6以上9未満 | 2 |
3以上6未満 | 1 |
3未満 | 0 |
5.技術者に関する評価の値
以上を全て当てはめると技術者に関する評価の値は
(技術者数/技術者数+技能者数) × A = 5/8 × 7
という事になります
参照:告示別表第18
国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和3年4月1日)」
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