入札に参加するには④ 『経営事項審査とは』
今回は、入札参加するために必要な『経営事項審査』についてです。
1.経営事項審査(=経審)とは?
「経営事項審査」(省略して「経審」と通称されることが多いです)とは、国や地方公共団体等が発注する公共工事に元請として入札参加する際に必ず受けなければならない審査です。(建設業法第27条の23)公共工事の発注機関(国や地方公共団体等)が、資格審査を行う際に、競争入札の参加者について欠格要件に該当しないかどうかを審査したうえで、順位・格付けをしますが、全国一律の基準で点数化されるのが「経営事項審査」です。
2.経営事項審査の点数はどうやって決まるのか?
審査は毎事業年度終了後に行い、「経営状況分析」(=Y点)と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項」について数値により評価します。
(1)「経営状況分析」(=Y点)
経営状況分析機関(※)に申請します。会社の決算内容(=財務諸表)を点数化したもので、「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つについて2項目ずつ、合計8つの項目で点数が決まります。
「負債抵抗力」に関する項目
X1:純支払利息比率
X2:負債回転期間
「収益性・効率性」に関する項目
X3:純資本売上総利益率
X4:売上高経常利益率
「財務健全性」に関する項目
X5:自己資本対固定資産比率
X6:自己資本比率
「絶対的力量」
X7:営業キャッシュ・フロー(絶対額)
X8:利益余剰金(絶対額)
(※)経営状況分析機関の一覧はこちら(国土交通省HP)
(2)「経営規模、技術的能力その他の客観的事項」
「経営規模、技術的能力その他の客観的事項」の評価を「経営規模等評価」といい、これは許可行政庁(=建設業許可を取得した際の行政庁)が審査します。審査項目は大まかに以下4つで、審査項目ごとに様々な評価項目があります。
「完成工事高」(=X₁)・・業種ごとの年間平均完成工事高
「経営規模」(=X₂)・・自己資本額、平均利益額
「技術力」(=Z)・・技術職員数、業種ごとの元請での完成工事高
「その他」(=W)・・労働福祉、建設業の営業年数、CPD、建設機械保有数、等
(3)総合評定値(=P点)の算出
(2)の4つの審査項目と、(1)の経営状況分析(=Y点)について点数化し、更に以下の算式によって総合評定値が算出されます。
総合評定値(P点) P=0.25X₁+0.15X₂+0.2Y+0.25Z+0.15W
国土交通省「建設業許可制度」資料より抜粋
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